ビューカードの過払い金請求ができる条件・返還率・期間
株式会社ビューカードは、JR東日本の子会社として2009年10月1日に事業を開始しました。
ビューカードという言葉で同社を指す場合と、同社が発行するクレジットカード(VIEW CARD)を指す場合があります。また提携クレジット会社から発行されるビューType2提携カードもあります。
1993年2月~2006年7月の間にビューカードを利用している方は、過払い金を取り戻せる可能性があります。ビューカードは、特に過払い金の返還の対応が良いことで知られています。
この記事では、ビューカードの過払い金請求ができる条件や、過払い金請求をするながれについて解説します。
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ビューカードの過払い金請求ができる条件
ビューカードは、JR東日本の子会社であり、1993年2月2日から2006年7月1日の間にキャッシングを利用した方が、過払い金請求の対象となります。
また、ビューカードは、クレジットカード(VIEW CARD)を発行するだけでなく、Suica関連、JR駅構内にあるATMであるVIEW ALTTEの管理業務を手掛けています。
しかし、当時の高金利(グレーゾーン金利)は、出資法の上限金利である29.2%を超えていました。このため、2006年7月1日以降に金利が引き下げられています。
ショッピング機能については、借金ではなく立替金という扱いであり、過払い金請求の対象外となります。また、2009年4月1日に、キャッシング機能が廃止されました。
ビューカードは限度額が低いクレジットカードだったので、取り戻せる過払い金は少ない可能性がありますが、司法書士や弁護士といった専門家に相談をして確認してもらうことで、キャッシングで発生していた過払い金を取り戻す可能性があります。
ビューカードの過払い金が発生する仕組み
貸金業者からの借り入れには、利息制限法と出資法の2つの法律で上限金利が定められています。利息制限法の金利が20.00%、出資法の金利が29.20%とされていました。
のちに法改正がされるまでは、利息制限法と出資法のどちらかの上限金利を決めて貸し付けることができたので、ビューカードは利息制限法の上限金利20%を超える金利で貸し付けをしていました。
しかし、2010年6月に出資法と貸金業法が改正されたことで、貸し付けの上限金利が出資法の金利29.2%から、利息制限法の金利20.0%に引き下げられました。
2006年7月1日、ビューカードは利息制限法の上限金利である「20.00%以内」に変更しています。
2006年7月1日以前からビューカードで借り入れしていれば、グレーゾーン金利と呼ばれる、利息制限法と出資法の金利差で払いすぎていた利息を、過払い金として、ビューカードに過払い金の返還請求をすることができます。
借り入れ金額によって上限金利が変わります。借り入れ金額が10万円未満の場合は上限金利20%、10万円以上100万円未満の場合は上限金利18%、100万円以上の場合は上限金利15%です。
2006年7月1日以降にビューカードで借り入れした方の場合は、上限金利が利息制限法で定められた金利の範囲内なので、過払い金が発生しません。
ビューカードに過払い金請求ができなくなるリスク
時効が成立してビューカードに過払い金請求ができなくなる
過払い金には時効があり、最後の取引から10年が経過すると時効が成立して、ビューカードから過払い金を取り戻すことができなくなります。
ビューカードでの借り入れに関する情報は、ビューカードから取引履歴を取り寄せることで確認することができます。
倒産してビューカードに過払い金請求ができなくなる
ビューカードの経営状況が悪化して、倒産をすると過払い金請求ができなくなるので、過払い金が発生していても取り戻すことができなくなります。
ビューカードはJR東日本の子会社であり、JR東日本の経営が安定しているので朗さんリスクは低いといえますが、かつての大手貸金業者である「武富士」が倒産したように、ビューカードが突然倒産する可能性がゼロではありません。
過払い金が発生している可能性がある場合は、はやめに手続きをした方が良いでしょう。
ビューカードの過払い金請求にかかる期間と過払い金の返還率
話し合い和解をするか、裁判をするかによって、過払い金を取り戻すまでにかかる期間(返還期間)と、発生する過払い金に対して実際に返還される金額の割合(返還率)が違います。
話し合いによる交渉で和解した場合は、返還期間が短くなりますが、取り戻せる過払い金が少なくなる傾向があります。一方で、裁判をする場合は、返還期間が長くなりますが、取り戻せる過払い金が多くなる上に、過払い金の元本に対する利息もあわせて取り戻せる可能性があります。
ビューカードは、過払い金請求への対応が良いです。そのため、話し合いでの交渉でも90%の返還率があります。
自分で過払い金請求をすることもできますが、貸金業者との交渉に慣れていないので返還期間が長くなったり、過払い金の返還率が悪くなって取り戻せる金額が少なくなるので、過払い金請求を専門的にあつかっていて、ビューカードと交渉経験が豊富な司法書士や弁護士に依頼するべきです。
司法書士・弁護士に依頼してかかる期間と返還率
話し合いで和解(任意交渉)
返還期間 |
返還率 |
3か月~ |
90% |
裁判で判決
返還期間 |
返還率 |
6か月~ |
100% |
上記に記載している返還期間・返済率は、ビューカードの過払い金請求の目安であって、必ずしも当てはまるものではありません
上記に記載している返還期間・返済率は借り入れの状況、ビューカードの経営状況によってかわります
過払い金が返還されるまでの期間によって、過払い金の元本に対する利息はかわります
ビューカードの過払い金を取り戻すまでの流れ
ビューカードから取引履歴を取り寄せる
過払い金請求をする前に、ビューカードから取引履歴を取り寄せます。取引履歴には、借り入れしたときの金利・金額・日付、返済した金額・日付が記載されています。
ビューカードの取引履歴は、ビューカードに問い合わせることで取り寄せることができます。
ビューカードから取引履歴を取り寄せるときの注意点
過払い金請求をする目的を伝えない
ビューカードから取引履歴を取り寄せるときに、過払い金請求をするといった目的を伝えないように注意してください。
「返済義務がないと知っていて、任意で返済した借金の過払い金は請求することができない」といった内容が、民法705条によって定められています。
ビューカードに過払い金請求する目的を伝えた上で返済を続けていると、過払い金が少なくなってしまう場合や、過払い金を取り戻せなくなる可能性があります。
ゼロ和解しない
ビューカードから取引履歴を取り寄せるときに、ビューカードから「借り入れを0円にする(ゼロ和解)」、「利息を減額する和解書にサインをする」ことが提示されることがあります。
ビューカードからの条件で和解した場合に、過払い金請求をする権利を放棄することが和解書に記載されていると、過払い金請求が発生していたとしても、過払い金請求をすることができなくなります。
過払い金の引き直し計算をする
ビューカードから取引履歴を取り寄せたら、引き直し計算をして、過払い金がいくら発生するのかを算出します。引き直し計算には、エクセルと利息計算ソフトを使用します。
利息計算ソフトは、名古屋消費者信用問題研究会、アドリテム無司法書士法人がインターネット上で無料配布しています。
利息計算ソフトに、取引履歴の内容(金利・金額・日付、返済金額・日付)を入力すれば計算することができます。
引き直し計算を自分でするリスク
引き直し計算を自分ですると、複雑な計算を間違える可能性があります。
引き直し計算は、過払い金を請求するための重要なポイントですが、自分で計算をして金額を1円でも間違えると、取り戻せる過払い金が少なくなることや、ビューカードに過払い金の返還を断られてしますリスクがあります。
司法書士や弁護士といった専門家に依頼をすることで、自分で引き直し計算をして間違えるリスクがなくなるので、1円でも多く、過払い金を取り戻すことができます。
ビューカードへ過払い金返還請求書と引き直し計算書を送る
取引履歴をもとにして引き直し計算をしたあと、ビューカードへ過払い金返還請求書と引き直し計算書を内容証明郵便で送ります。
内容証明郵便で送ることで、いつ、誰が、どこに送ったかを証明することができるので、記録として残すことができます。
過払い金返還請求書の内容
日付
株式会社ビューカード
ビューカードの代表名
名前
住所
連絡先電話番号
振込口座名
口座番号契約番号、会員番号
〇万円の過払い金を返還請求する旨の内容
話し合いで交渉(任意交渉)
ビューカードへ、過払い金返還請求書と引き直し計算書を送ったあと、引き直し計算をもとに発生した過払い金の返還率、過払い金を返還するまでの期間を話し合いで交渉します。
過払い金請求の裁判
話し合いの交渉で和解できなかった場合は、裁判をすることになります。
裁判の場合は、取り戻せる過払い金の額が多くなりますが、過払い金を取り戻すまでの期間が長くなります。裁判の途中でも和解することができますが、和解できなかった場合は判決が出るまで6か月程度続けることになります。
ビューカードから過払い金が振り込まれる
ビューカードと話し合いで和解、あるいは裁判で判決が出たあと、ビューカードとの和解を示す和解書や裁判の判決内容に応じた過払い金が、ビューカードに指定した口座に振り込まれます。
過払い金請求を専門家に依頼していた場合は、司法書士や弁護士事務所の口座に過払い金が振り込まれたあと、相談料、着手金、基本報酬、成功報酬といった費用が差し引かれた金額が、手元に残る過払い金として振り込まれます。
司法書士や弁護士の費用・料金は過払い金から差し引かれる
過払い金請求を司法書士や弁護士といった専門家に依頼すると、相談料、着手金、基本報酬、成功報酬が、費用としてかかります。
司法書士や弁護士の依頼にしてかかる費用や報酬の定義、上限金額は、日本司法書士会連合会(日司連)や日本弁護士連合会(日弁連)のガイドラインで定められています。
司法書士に依頼した場合にかかる費用は、着手金、基本報酬といった定額報酬が合計5万円以下と定められていますが、弁護士に依頼した場合にかかる費用は、基本報酬が上限2万円と定められているだけで、着手金には上限が定められていません。
司法書士や弁護士といった専門家に依頼をする場合は、過払い金請求にかかる費用や相場について、電話・メールで相談、あるいは直接面談をするときに確認をするべきです。
ビューカードの過払い金請求をするデメリットとメリット
ビューカードの過払い金請求をするデメリットとメリットは、過払い金請求をする時点でのビューカードからの借り入れ状況によってちがいます。
借金を完済している方、いまも借金を返済中の方、それぞれの状況にあったデメリットとメリットを確認してください。
完済後にビューカードの過払い金請求をするデメリットとメリット
借金の完済後にビューカードの過払い金請求をするデメリット
借金の完済後にビューカードの過払い金請求をするデメリットは、ビューカードから新たに借り入れることができなくなることだけです。
しかし、ビューカードは2009年4月1日にキャッシング機能を停止しているので、新たな借り入れをすることはできません。ビューカード以外の貸金業者からは借り入れができるので、デメリットにはならないでしょう。
借金の完済後にビューカードの過払い金請求をするメリット
借金の完済後にビューカードの過払い金請求をするメリットは、過払い金を取り戻すことができることです。
ビューカードから取り戻した過払い金を生活の資金にすることができるので、生活を少しでもラクにすることができる可能性があります。
生活がラクになれば、今後も新たな借り入れをしなくてよくなるかもしれません。
借金の返済中にビューカードの過払い金請求をするデメリットとメリット
ビューカードの借金が50万円、過払い金が100万円
ビューカードの借金が100万円、過払い金が50万円
例①では、ビューカードの借金よりも過払い金が50万円多いので、過払い金をビューカードの借金の返済にあてることで、残った過払い金が手元に戻ってきます。
例②では、ビューカードの借金の返済に過払い金をあてても借金が残るので、借金の返済中にビューカードの過払い金請求をする状況になります。
借金の返済中にビューカードの過払い金請求をする場合、ブラックリストに載るデメリット、返済中の借金を減額できる、毎月の返済の負担を減らす交渉ができるメリットがあります。
借金の返済中にビューカードの過払い金請求をするデメリット
ビューカードの借金が、返還される過払い金よりも多い場合は、貸金業者と交渉をして、過払い金を差し引いて残った借金を減額する任意整理の手続きをします。
返済の延滞を繰り返したり、借金を滞納したことがある方は、すでにブラックリストに載っているので、過払い金請求をするべきです。
過払い金がいくら発生するかは、貸金業者との取引履歴から払いすぎていた利息を計算する「引き直し計算」をすることでわかります。
引き直し計算をして、発生する過払い金がビューカードの借金より多いか、少ないか、結果が分かってから過払い金請求をするかしないかの判断をすることができます。
借金の返済中にビューカードの過払い金請求をするメリット
借金の返済中にビューカードに過払い金請求をして、過払い金が発生すれば、ビューカードの借金の返済に過払い金をあてることで、借金を減額することができます。
また、発生した過払い金が借金の残高よりも多ければ、借金を完済することができます。
発生した過払い金で借金が完済できなければ任意整理をすることになりますが、将来発生する利息をカットする、返済期間を見直して延長することができれば、毎月の返済をラクにすることができるようになります。
ビューカードの過払い金請求によるクレジットカードとローンへの影響
住宅ローン・自動車ローンへの影響
ビューカードの過払い金請求が、返済中の住宅ローン・自動車ローンに影響することはありません。
過払い金請求をした後に、新たな住宅ローン・自動車ローンの審査に影響することもありませんが、ビューカードの借金が、返還される過払い金よりも多い場合は、貸金業者と交渉をして、過払い金を差し引いて残った借金を減額する任意整理の手続きをします。
任意整理をすると、信用情報機関に事故情報が登録される、いわゆるブラックリストに載ります。住宅ローンや自動車ローンの審査は、申し込み時の年齢、年収といった情報だけでなく、信用情報機関の情報も対象とするので、ブラックリストに載るとローンの審査に通りにくくなります。
ビューカードからの借り入れで延滞を繰り返したり、滞納したことがある方は、すでにブラックリストに載っているので、ローンの審査を気にすることなく過払い金請求をするべきです。
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