シンキ(新生パーソナルローン)の過払い金請求ができる条件・返還率・期間

シンキ(新生パーソナルローン)の過払い金請求ができる条件・返還率・期間

シンキは「1週間無利息」で借りることができるノーローンというサービスで知られている消費者金融会社です。2010年に新生フィナンシャル株式会社の小会社となり、新生銀行グループの一員になりました。現在は社名を新生パーソナルローン株式会社に変更しているため、シンキで借り入れをしていたときの過払い金請求は新生パーソナルローン株式会社にする必要があります。

シンキは完済していれば何度でも1週間無利息で借りることができましたが、1週間で返せないと利息が29.2%のっていました(2007年4月1日まで)。現在は利息制限法に合わせて15%~20%までしか貸し付けをおこなうことができません。2007年4月1日までに借り入れをしたことがある人は高額な過払い金が発生している可能性があります。

新生パーソナルローン株式会社への過払い金請求は個人でおこなうと交渉がむずかしいことで有名で、専門家を通さないと20%~50%の返還率になることも珍しくありません。過払い金の総額100%を回収するためにも弁護士や司法書士に依頼することをおすすめします。

シンキ(新生パーソナルローン)の過払い金請求ができる条件

シンキ(新生パーソナルローン)の過払い金が発生する仕組み

貸金業者からの借り入れには、利息制限法と出資法の2つの法律で上限金利が定められています。利息制限法の金利が20.00%、出資法の金利が29.20%とされていました。

法改正がされるまでは、利息制限法と出資法のどちらかの上限金利を決めて貸し付けることができました。シンキでは29.2%の出資法の制限いっぱいで貸し付けをおこなっていました。

しかし、2010年6月に出資法と貸金業法が改正されたことで、貸し付けの上限金利が出資法の金利29.2%から、利息制限法の金利20.0%に引き下げられました。

シンキは、利息制限法の上限金利である「20.00%以内」に変更しています。

2007年4月1日前からシンキ(新生パーソナルローン)で借り入れをしていれば、グレーゾーン金利と呼ばれる、利息制限法と出資法の金利差で払いすぎていた利息を、過払い金として、シンキ(新生パーソナルローン)に過払い金の返還請求をすることができます。

借り入れ金額によって上限金利が変わります。借り入れ金額が10万円未満の場合は上限金利20%、10万円以上100万円未満の場合は上限金利18%、100万円以上の場合は上限金利15%です。

過払い金が発生しない人

2007年4月1日以降にシンキ(新生パーソナルローン)で借り入れした方の場合は、上限金利が利息制限法で定められた金利の範囲内なので、過払い金が発生しません。

借り入れ金額と返済回数で増減する過払い金の金額

借り入れ金額と返済回数で過払い金の金額が増減します。

借り入れ金額と返済回数が少ない場合は、シンキ(新生パーソナルローン)に支払っている利息が少ないので、発生する過払い金も少ないです。一方で、借り入れ金額と返済回数が多い場合は、シンキ(新生パーソナルローン)に支払っている利息がそのぶん多いので、発生する過払い金も多いです。

シンキ(新生パーソナルローン)の上限金利の変化

2007年4月1日以前

29.2%

2007年4月1日以降

20%

シンキ(新生パーソナルローン)に過払い金請求ができなくなるリスク

時効が成立してシンキ(新生パーソナルローン)に過払い金請求ができなくなる

過払い金には時効があり、最後の取引から10年が経過すると時効が成立して、シンキ(新生パーソナルローン)から過払い金を取り戻すことができなくなります。

時効のカウントは最後に借り入れをした日や返済の手続きをした日から数えて10年間になります。2007年に初めて借り入れを行った取引でも返済が2015年で終わっているとした場合、返済が終わった2015年から10年間が時効までの猶予期間となります。シンキでの借り入れに関する情報は、新生パーソナルローンから取引履歴を取り寄せることで確認することができます。

取引履歴は、新生パーソナルローンから郵送、あるいは新生パーソナルローンの窓口で直接取り寄せることができます。

倒産してシンキ(新生パーソナルローン)に過払い金請求ができなくなる

シンキは現在の新生パーソナルローンにあたります。新生パーソナルローンはSBI新生銀行グループの1つであるため、倒産する可能性はかなり低いです。そのため、倒産によって過払い金請求ができなくなる可能性も低いといえます。

シンキ(新生パーソナルローン)の過払い金請求にかかる期間と過払い金の返還率

話し合い和解をするか、裁判をするかによって、過払い金を取り戻すまでにかかる期間(返還期間)と、発生する過払い金に対して実際に返還される金額の割合(返還率)が違います。

話し合いによる交渉で和解した場合は、返還期間が短くなりますが、取り戻せる過払い金が少なくなる傾向があります。一方で、裁判をする場合は、返還期間が長くなりますが、取り戻せる過払い金が多くなる上に、過払い金の元本に対する利息もあわせて取り戻せる可能性があります。

シンキ(新生パーソナルローン)の過払い金請求の対応は厳しく、和解交渉では100%の返還はありえません。個人で過払い金請求をおこなうと過払い金総額の20%を提示してくることも珍しくありません。また、過払い金請求の専門家である弁護士や司法書士が交渉をおこなっても過払い金総額の50%までしか応じないので100%の過払い金請求をする場合には裁判(訴訟)しかありません。

過払い金請求は対象となる人に与えられたまっとうな権利ですが、個人が請求すると真摯に対応してもらえなかったり、満足いく金額を返してもらえないので弁護士や司法書士に依頼する方が賢明です。

司法書士・弁護士に依頼してかかる期間と返還率

話し合いで和解(任意交渉)

返還期間

6か月~

返還率

~50%

訴訟提起をすると80%に引き上げられる可能性あり

裁判で判決

返還期間

6か月~

返還率

100%

※上記に記載している返還期間・返済率は、シンキ(新生パーソナルローン)の過払い金請求の目安であって、必ずしも当てはまるものではありません。

※上記に記載している返還期間・返済率は借り入れの状況、シンキ(新生パーソナルローン)の経営状況によってかわります。

※過払い金が返還されるまでの期間によって、過払い金の元本に対する利息はかわります。

過払い金請求のシミュレーション

例1:150万円の借り入れを完済して過払い金請求

  • 借入金額:150万円

  • 返済回数:60回

  • 過払い金:106万円

話し合いで和解(任意交渉)した場合は、期間が3ヶ月程度、およそ53.0万円(返還率50%)の過払い金がシンキ(新生パーソナルローン)から取り戻せる可能性があります。

裁判をした場合は、期間が4ヶ月程度、およそ106万円(返還率100%)の過払い金と利息をあわせてシンキ(新生パーソナルローン)から取り戻せる可能性があります。

例2:300万円の借り入れを完済して過払い金請求した例

  • 借入金額:300万円

  • 返済回数:60回

  • 過払い金:217.5万円

話し合いで和解(任意交渉)した場合は、期間が3ヶ月程度、およそ108万円(返還率50%)の過払い金がシンキ(新生パーソナルローン)から取り戻せる可能性があります。

裁判をした場合は、期間が4ヶ月程度、およそ217.5.0万円(返還率100%)の過払い金と利息をあわせてシンキ(新生パーソナルローン)から取り戻せる可能性があります。

シンキ(新生パーソナルローン)の過払い金を取り戻すまでの流れ

シンキ(新生パーソナルローン)から取引履歴を取り寄せる

過払い金請求をする前に、シンキ(現在の新生パーソナルローン)から取引履歴を取り寄せます。取引履歴には、借り入れしたときの金利・金額・日付、返済した金額・日付が記載されています。

シンキの取引履歴は、新生パーソナルローンに電話で問い合わせることで取り寄せることができます。

シンキ(新生パーソナルローン)から取引履歴を取り寄せるときの注意点

過払い金請求をする目的を伝えない

シンキ(新生パーソナルローン)から取引履歴を取り寄せるときに、過払い金請求をするといった目的を伝えないように注意してください。

「返済義務がないと知っていて、任意で返済した借金の過払い金は請求することができない」といった内容が、民法705条によって定められています。

シンキ(新生パーソナルローン)に過払い金請求する目的を伝えた上で返済を続けていると、過払い金が少なくなってしまう場合や、過払い金を取り戻せなくなる可能性があります。

ゼロ和解しない

シンキ(新生パーソナルローン)から取引履歴を取り寄せるときに、シンキ(新生パーソナルローン)から「借り入れを0円にする(ゼロ和解)」、「利息を減額する和解書にサインをする」ことが提示されることがあります。

シンキ(新生パーソナルローン)からの条件で和解した場合に、過払い金請求をする権利を放棄することが和解書に記載されていると、過払い金請求が発生していたとしても、過払い金請求をすることができなくなります。

過払い金の引き直し計算をする

シンキ(新生パーソナルローン)から取引履歴を取り寄せたら、引き直し計算をして、過払い金がいくら発生するのかを算出します。引き直し計算には、エクセルと利息計算ソフトを使用します。

利息計算ソフトは、名古屋消費者信用問題研究会、アドリテム無司法書士法人がインターネット上で無料配布しています。

利息計算ソフトに、取引履歴の内容(金利・金額・日付、返済金額・日付)を入力すれば計算することができます。

引き直し計算を自分でするリスク

引き直し計算を自分ですると、複雑な計算を間違える可能性があります。

引き直し計算は、過払い金を請求するための重要なポイントですが、自分で計算をして金額を1円でも間違えると、取り戻せる過払い金が少なくなることや、シンキ(新生パーソナルローン)に過払い金の返還を断られてしますリスクがあります。

司法書士や弁護士といった専門家に依頼をすることで、自分で引き直し計算をして間違えるリスクがなくなるので、1円でも多く、過払い金を取り戻すことができます。

シンキ(新生パーソナルローン)へ過払い金返還請求書と引き直し計算書を送る

取引履歴をもとにして引き直し計算をしたあと、シンキ(新生パーソナルローン)へ過払い金返還請求書と引き直し計算書を内容証明郵便で送ります。

内容証明郵便で送ることで、いつ、誰が、どこに送ったかを証明することができるので、記録として残すことができます。

過払い金返還請求書の内容

  • 日付

  • 新生パーソナルローン

  • シンキ(新生パーソナルローン)の代表名

  • 名前

  • 住所

  • 連絡先

  • 電話番号

  • 振込口座名

  • 口座番号

  • 契約番号、会員番号

  • 〇万円の過払い金を返還請求する旨の内容

話し合いで交渉(任意交渉)

シンキ(新生パーソナルローン)へ、過払い金返還請求書と引き直し計算書を送ったあと、引き直し計算をもとに発生した過払い金の返還率、過払い金を返還するまでの期間を話し合いで交渉するために、シンキ(新生パーソナルローン)の担当者から電話で連絡がきます。

過払い金請求の裁判

取り戻せる過払い金の金額が変わる裁判の争点

シンキ(新生パーソナルローン)から借り入れを繰り返している場合は、取り戻せる過払い金の金額が変わる可能性があります。

シンキ(新生パーソナルローン)から繰り返している借り入れが、一連の取引としてあつかわれるか、分断された取引としてあつかわれるかが、裁判の争点になります。

例えば、同じ契約番号で借り入れを繰り返している、シンキ(新生パーソナルローン)に1,000円未満の借り入れがある、いずれかのケースでは、借り入れが「一連の取引」としてあつかわれることで、取り戻せる過払い金の金額が多くなります。

一方で、繰り返している借り入れが分断された取引としてあつかわれると、それぞれの借り入れに対して過払い金を計算するので、取り戻せる過払いが少なくなります。

繰り返している借り入れが一連の取引か、分断された取引か、どのようにあつかわれるかを自分で判断することや、引き直し計算をすることはむずかしいので、司法書士や弁護士といった専門家に相談をするべきです。

シンキ(新生パーソナルローン)から過払い金が振り込まれる

シンキ(新生パーソナルローン)と話し合いで和解、あるいは裁判で判決が出たあと、シンキ(新生パーソナルローン)との和解を示す和解書や裁判の判決内容に応じた過払い金が、シンキ(新生パーソナルローン)に指定した口座に振り込まれます。

過払い金請求を専門家に依頼していた場合は、司法書士や弁護士事務所の口座に過払い金が振り込まれたあと、相談料、着手金、基本報酬、成功報酬といった費用が差し引かれた金額が、手元に残る過払い金として振り込まれます。

司法書士や弁護士の費用・料金は過払い金から差し引かれる

過払い金請求を司法書士や弁護士といった専門家に依頼すると、相談料、着手金、基本報酬、成功報酬が、費用としてかかります。

司法書士や弁護士の依頼にしてかかる費用や報酬の定義、上限金額は、日本司法書士会連合会(日司連)や日本弁護士連合会(日弁連)のガイドラインで定められています。

司法書士に依頼した場合にかかる費用は、着手金、基本報酬といった定額報酬が合計5万円以下と定められていますが、弁護士に依頼した場合にかかる費用は、基本報酬が上限2万円と定められているだけで、着手金には上限が定められていません。

司法書士や弁護士といった専門家に依頼をする場合は、過払い金請求にかかる費用や相場について、電話・メールで相談、あるいは直接面談をするときに確認をするべきです。

シンキ(新生パーソナルローン)の過払い金請求をするデメリットとメリット

シンキ(新生パーソナルローン)の過払い金請求をするデメリットとメリットは、過払い金請求をする時点でのシンキ(新生パーソナルローン)からの借り入れ状況によってちがいます。

借金を完済している方、いまも借金を返済中の方、それぞれの状況にあったデメリットとメリットを確認してください。

完済後にシンキ(新生パーソナルローン)の過払い金請求をするデメリットとメリット

メリット

  • 過払い金を取り戻せる

  • シンキ(新生パーソナルローン)から借り入れが不要になる

デメリット

  • シンキ(新生パーソナルローン)から新たな借り入れができなくなる

借金の完済後にシンキ(新生パーソナルローン)の過払い金請求をするデメリット

借金の完済後にシンキ(新生パーソナルローン)の過払い金請求をするデメリットは、シンキ(新生パーソナルローン)から新たに借り入れることができなくなることだけです。

ただし、過払い金の時効が成立したり、、シンキ(新生パーソナルローン)が倒産したりすると、過払い金請求をすることができなくなり、過払い金が発生していても1円も取り戻すことができません。

借金の完済後から時間がたっている方は、1日でもはやく過払い金請求をすべきです。

借金の完済後にシンキ(新生パーソナルローン)の過払い金請求をするメリット

借金の完済後にシンキ(新生パーソナルローン)の過払い金請求をするメリットは、過払い金を取り戻すことができることです。

シンキ(新生パーソナルローン)から取り戻した過払い金を生活の資金にすることができるので、生活を少しでもラクにすることができる可能性があります。

生活がラクになれば、今後も新たな借り入れをしなくてよくなるかもしれません。

借金の返済中にシンキ(新生パーソナルローン)の過払い金請求をするデメリットとメリット

  1. シンキ(新生パーソナルローン)の借金が50万円、過払い金が100万円

  2. シンキ(新生パーソナルローン)の借金が100万円、過払い金が50万円

例①では、シンキ(新生パーソナルローン)の借金よりも過払い金が50万円多いので、過払い金をシンキ(新生パーソナルローン)の借金の返済にあてることで、残った過払い金が手元に戻ってきます。

例②では、シンキで借りた借金に対して発生している過払い金が少ない状態を表します。借金の総額の方が多ければ過払い金は借金の返済にあてられます。借金の返済中にシンキ(新生パーソナルローン)の過払い金請求をする場合、ブラックリストに載るデメリット、返済中の借金を減額できる、毎月の返済の負担を減らす交渉ができるメリットがあります。

メリット

  • シンキ(新生パーソナルローン)に返済中の借金を減額できる

  • 将来の利息カットや返済期間を見直しする交渉ができる

デメリット

  • ブラックリストに載る

借金の返済中にシンキ(新生パーソナルローン)の過払い金請求をするデメリット

借金が返還される過払い金よりも多い場合は、貸金業者と交渉をして、過払い金を差し引いて残った借金を減額する任意整理の手続きをします。

返済の延滞を繰り返したり、借金を滞納したことがある方は、すでにブラックリストに載っているので、過払い金請求をするべきです。過払い金がいくら発生するかは、貸金業者との取引履歴から払いすぎていた利息を計算する「引き直し計算」をすることでわかります。

借金の返済中にシンキ(新生パーソナルローン)の過払い金請求をするメリット

発生した過払い金が借金の残高よりも多ければ、借金を完済することができます。

発生した過払い金で借金が完済できなければ任意整理をすることになりますが、将来発生する利息をカットする、返済期間を見直して延長することができれば、毎月の返済をラクにすることができるようになります。

シンキ(新生パーソナルローン)の過払い金請求によるクレジットカードとローンへの影響

住宅ローン・自動車ローンへの影響

シンキ(新生パーソナルローン)の過払い金請求が、返済中の住宅ローン・自動車ローンに影響することはありません。

ただし、過払い金よりも借金が多い場合は、任意整理となりますが、任意整理をすると、信用情報機関に事故情報が登録される、いわゆるブラックリストに載ります。住宅ローンや自動車ローンの審査は、申し込み時の年齢、年収といった情報だけでなく、信用情報機関の情報も対象とするので、ブラックリストに載るとローンの審査に通りにくくなります。

シンキ(新生パーソナルローン)からの借り入れで延滞を繰り返したり、滞納したことがある方は、すでにブラックリストに載っているので、ローンの審査を気にすることなく過払い金請求をするべきです。

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