日専連の過払い金請求ができる条件・返還率・期間
日専連は、各都道府県に展開しているクレジットカード会社で、「NISSENREN」と表記されることが多く、地域によっても会社名やカード名が違います。
日専連のカードにはショッピング枠とキャッシング枠があり、過払い金が発生するのはキャッシング枠の利用に限られます。日専連は2007年以降、金利を法定利息に変更しており、それ以前にキャッシング枠で借り入れをしていた人は、過払い金請求の対象になります。
この記事では、日専連の過払い金請求のできる条件、返還率、期間、請求方法などについて詳しく説明します。
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日専連の過払い金請求ができる条件
日専連の過払い金請求ができる条件は、2007年より前にキャッシング枠を利用していた方が対象になります。
これは、日専連が当時は20%を超える金利で貸付をおこなっていたためです。そのため、この期間に日専連カードを利用していた人は、過払い金が発生している可能性があります。
キャッシング枠であればリボ払いの利用でも対象になります。ショッピングクレジットは借り入れではなく「立替金」の扱いなので、過払い金請求の対象にはなりません。
日専連は東京都千代田区に本社を置いており、地域によって名称が異なるグループ会社がカードの発行をおこなっています。日専連旭川や日専連釧路、日専連静岡など地名が使用されているカードもありますが、日専連パートナーズや日専連ホールディングスなどもあります。
カードは、JCBブランドやDCブランドなどと提携したクレジットカードやETCカードなどを扱っています。
日専連の過払い金が発生する仕組み
貸金業者からの借り入れには、利息制限法と出資法の2つの法律で上限金利が定められています。利息制限法の金利が20.00%、出資法の金利が29.20%とされていました。
のちに法改正がされるまでは、利息制限法と出資法のどちらかの上限金利を決めて貸し付けることができたので、日専連は利息制限法の上限金利である20%を越える金利で貸し付けをしていました。
しかし、2010年6月に出資法と貸金業法が改正されたことで、貸し付けの上限金利が出資法の金利29.2%から、利息制限法の金利20.0%に引き下げられました。
日専連は、2007年以降に利息制限法の上限金利である「20.00%以内」に変更しています。
2007年以前から日専連で借り入れをしていれば、グレーゾーン金利と呼ばれる、利息制限法と出資法の金利差で払いすぎていた利息を、過払い金として、日専連に過払い金の返還請求をすることができます。
借り入れ金額によって上限金利が変わります。借り入れ金額が10万円未満の場合は上限金利20%、10万円以上100万円未満の場合は上限金利18%、100万円以上の場合は上限金利15%です。
2007年以降に日専連で借り入れした方の場合は、上限金利が利息制限法で定められた金利の範囲内なので、過払い金が発生しません。
借り入れ金額と返済回数で増減する過払い金の金額
借り入れ金額と返済回数で過払い金の金額が増減します。
借り入れ金額と返済回数が少ない場合は、日専連に支払っている利息が少ないので、発生する過払い金も少ないです。一方で、借り入れ金額と返済回数が多い場合は、日専連に支払っている利息がそのぶん多いので、発生する過払い金も多いです。
日専連への返済方法には、一括払いとリボルビング払いがあります。
リボルビング払いで返済している場合は、借り入れの返済回数が多くなるので、一括払いでの返済よりも発生する過払い金が多くなります。
日専連に過払い金請求ができなくなるリスク
時効が成立して日専連に過払い金請求ができなくなる
過払い金には時効があり、最後の取引から10年が経過すると時効が成立して、日専連から過払い金を取り戻すことができなくなります。
日専連からの借り入れに関する情報は、日専連から取引履歴を取り寄せることで確認することができます。
取引履歴は、日専連から郵送、あるいは日専連の窓口で直接取り寄せることができます。
倒産して日専連に過払い金請求ができなくなる
日専連の経営状況が悪化すると、取り戻せる過払い金額が少なくなる可能性があります。さらに、日専連が倒産をしてしまった場合には、過払い金が発生していても請求することができなくなります。
かつて、貸金業者の大手であった「武富士」が倒産したように、日専連が倒産する可能性がゼロではないので、過払い金請求の対象になる可能性がある方は、はやめに専門家に相談をして手続きをした方がよいでしょう。
日専連の過払い金請求にかかる期間と過払い金の返還率
話し合い和解をするか、裁判をするかによって、過払い金を取り戻すまでにかかる期間(返還期間)と、発生する過払い金に対して実際に返還される金額の割合(返還率)が違います。
話し合いによる交渉で和解した場合は、返還期間が短くなりますが、取り戻せる過払い金が少なくなる傾向があります。一方で、裁判をする場合は、返還期間が長くなりますが、取り戻せる過払い金が多くなる上に、過払い金の元本に対する利息もあわせて取り戻せる可能性があります。
日専連は、話し合いの交渉でも返還率80%~90%と、高い返還率で過払い金を取り戻すことができるとされています。
自分で過払い金請求をすることもできますが、貸金業者との交渉に慣れていないので返還期間が長くなったり、過払い金の返還率が悪くなって取り戻せる金額が少なくなるので、過払い金請求を専門的にあつかっていて、日専連と交渉経験が豊富な司法書士や弁護士に依頼するべきです。
司法書士・弁護士に依頼してかかる期間と返還率
話し合いで和解(任意交渉)
返還期間 |
返還率 |
6か月程度 |
80%~90% |
裁判で判決
返還期間 |
返還率 |
6か月~ |
80%~100% |
上記に記載している返還期間・返済率は、日専連の過払い金請求の目安であって、必ずしも当てはまるものではありません
上記に記載している返還期間・返済率は借り入れの状況、日専連の経営状況によってかわります
過払い金が返還されるまでの期間によって、過払い金の元本に対する利息はかわります
日専連の過払い金を取り戻すまでの流れ
日専連から取引履歴を取り寄せる
過払い金請求をする前に、日専連から取引履歴を取り寄せます。取引履歴には、借り入れしたときの金利・金額・日付、返済した金額・日付が記載されています。
日専連の取引履歴は、日専連に問い合わせることで取り寄せることができます。
日専連から取引履歴を取り寄せるときの注意点
過払い金請求をする目的を伝えない
日専連から取引履歴を取り寄せるときに、過払い金請求をするといった目的を伝えないように注意してください。
「返済義務がないと知っていて、任意で返済した借金の過払い金は請求することができない」といった内容が、民法705条によって定められています。
日専連に過払い金請求する目的を伝えた上で返済を続けていると、過払い金が少なくなってしまう場合や、過払い金を取り戻せなくなる可能性があります。
ゼロ和解しない
日専連から取引履歴を取り寄せるときに、日専連から「借り入れを0円にする(ゼロ和解)」、「利息を減額する和解書にサインをする」ことが提示されることがあります。
日専連からの条件で和解した場合に、過払い金請求をする権利を放棄することが和解書に記載されていると、過払い金請求が発生していたとしても、過払い金請求をすることができなくなります。
過払い金の引き直し計算をする
日専連から取引履歴を取り寄せたら、引き直し計算をして、過払い金がいくら発生するのかを算出します。引き直し計算には、エクセルと利息計算ソフトを使用します。
利息計算ソフトは、名古屋消費者信用問題研究会、アドリテム無司法書士法人がインターネット上で無料配布しています。
利息計算ソフトに、取引履歴の内容(金利・金額・日付、返済金額・日付)を入力すれば計算することができます。
引き直し計算を自分でするリスク
引き直し計算を自分ですると、複雑な計算を間違える可能性があります。
引き直し計算は、過払い金を請求するための重要なポイントですが、自分で計算をして金額を1円でも間違えると、取り戻せる過払い金が少なくなることや、日専連に過払い金の返還を断られてしますリスクがあります。
司法書士や弁護士といった専門家に依頼をすることで、自分で引き直し計算をして間違えるリスクがなくなるので、1円でも多く、過払い金を取り戻すことができます。
日専連へ過払い金返還請求書と引き直し計算書を送る
取引履歴をもとにして引き直し計算をしたあと、日専連へ過払い金返還請求書と引き直し計算書を内容証明郵便で送ります。
内容証明郵便で送ることで、いつ、誰が、どこに送ったかを証明することができるので、記録として残すことができます。
過払い金返還請求書の内容
日付
株式会社日専連
日専連の代表名
名前
住所
連絡先電話番号
振込口座名
口座番号契約番号、会員番号
〇万円の過払い金を返還請求する旨の内容
話し合いで交渉(任意交渉)
日専連へ、過払い金返還請求書と引き直し計算書を送ったあと、引き直し計算をもとに発生した過払い金の返還率、過払い金を返還するまでの期間を話し合いで交渉します。
過払い金請求の裁判
話し合いの交渉で和解ができなかった場合は、裁判をすることになります。
裁判の場合は、取り戻せる過払い金の額が多くなりますが、話し合いの交渉に比べて取り戻すまでの期間が長くなります。裁判の途中に和解することもできますが、和解できなければ裁判の判決が出るまで、6か月以上は続くことになります。
日専連から過払い金が振り込まれる
日専連と話し合いで和解、あるいは裁判で判決が出たあと、日専連との和解を示す和解書や裁判の判決内容に応じた過払い金が、日専連に指定した口座に振り込まれます。
過払い金請求を専門家に依頼していた場合は、司法書士や弁護士事務所の口座に過払い金が振り込まれたあと、相談料、着手金、基本報酬、成功報酬といった費用が差し引かれた金額が、手元に残る過払い金として振り込まれます。
司法書士や弁護士の費用・料金は過払い金から差し引かれる
過払い金請求を司法書士や弁護士といった専門家に依頼すると、相談料、着手金、基本報酬、成功報酬が、費用としてかかります。
司法書士や弁護士の依頼にしてかかる費用や報酬の定義、上限金額は、日本司法書士会連合会(日司連)や日本弁護士連合会(日弁連)のガイドラインで定められています。
司法書士に依頼した場合にかかる費用は、着手金、基本報酬といった定額報酬が合計5万円以下と定められていますが、弁護士に依頼した場合にかかる費用は、基本報酬が上限2万円と定められているだけで、着手金には上限が定められていません。
司法書士や弁護士といった専門家に依頼をする場合は、過払い金請求にかかる費用や相場について、電話・メールで相談、あるいは直接面談をするときに確認をするべきです。
日専連の過払い金請求をするデメリットとメリット
日専連の過払い金請求をするデメリットとメリットは、過払い金請求をする時点での日専連からの借り入れ状況によってちがいます。
借金を完済している方、いまも借金を返済中の方、それぞれの状況にあったデメリットとメリットを確認してください。
完済後に日専連の過払い金請求をするデメリットとメリット
借金の完済後に日専連の過払い金請求をするデメリット
借金の完済後に日専連の過払い金請求をするデメリットは、日専連から新たに借り入れることができなくなることだけです。
ただし、過払い金の時効が成立したり、、日専連が倒産したりすると、過払い金請求をすることができなくなり、過払い金が発生していても1円も取り戻すことができません。
今後、日専連のクレジットカードを使用しないのであれば特に問題はないので、借金の完済後から時間がたっている方は、1日でもはやく過払い金請求をすべきです。
借金の完済後に日専連の過払い金請求をするメリット
借金の完済後に日専連の過払い金請求をするメリットは、過払い金を取り戻すことができることです。
日専連から取り戻した過払い金を生活の資金にすることができるので、生活を少しでもラクにすることができる可能性があります。
生活がラクになれば、今後も新たな借り入れをしなくてよくなるかもしれません。
借金の返済中に日専連の過払い金請求をするデメリットとメリット
日専連の借金が50万円、過払い金が100万円
日専連の借金が100万円、過払い金が50万円
例①では、日専連の借金よりも過払い金が50万円多いので、過払い金を日専連の借金の返済にあてることで、残った過払い金が手元に戻ってきます。
例②では、日専連の借金の返済に過払い金をあてても借金が残るので、借金の返済中に日専連の過払い金請求をする状況になります。
借金の返済中に日専連の過払い金請求をする場合、ブラックリストに載るデメリット、返済中の借金を減額できる、毎月の返済の負担を減らす交渉ができるメリットがあります。
借金の返済中に日専連の過払い金請求をするデメリット
日専連の借金が、返還される過払い金よりも多い場合は、貸金業者と交渉をして、過払い金を差し引いて残った借金を減額する任意整理の手続きをします。
返済の延滞を繰り返したり、借金を滞納したことがある方は、すでにブラックリストに載っているので、過払い金請求をするべきです。
過払い金がいくら発生するかは、貸金業者との取引履歴から払いすぎていた利息を計算する「引き直し計算」をすることでわかります。
引き直し計算をして、発生する過払い金が日専連の借金より多いか、少ないか、結果が分かってから過払い金請求をするかしないかの判断をすることができます。
借金の返済中に日専連の過払い金請求をするメリット
借金の返済中に日専連に過払い金請求をして、過払い金が発生すれば、日専連の借金の返済に過払い金をあてることで、借金を減額することができます。
また、発生した過払い金が借金の残高よりも多ければ、借金を完済することができます。
発生した過払い金で借金が完済できなければ任意整理をすることになりますが、将来発生する利息をカットする、返済期間を見直して延長することができれば、毎月の返済をラクにすることができるようになります。
日専連の過払い金請求によるクレジットカードとローンへの影響
住宅ローン・自動車ローンへの影響
日専連の過払い金請求が、返済中の住宅ローン・自動車ローンに影響することはありません。
過払い金請求をした後に、新たな住宅ローン・自動車ローンの審査に影響することもありませんが、日専連の借金が、返還される過払い金よりも多い場合は、貸金業者と交渉をして、過払い金を差し引いて残った借金を減額する任意整理の手続きをします。
任意整理をすると、信用情報機関に事故情報が登録される、いわゆるブラックリストに載ります。住宅ローンや自動車ローンの審査は、申し込み時の年齢、年収といった情報だけでなく、信用情報機関の情報も対象とするので、ブラックリストに載るとローンの審査に通りにくくなります。
日専連の借り入れで延滞を繰り返したり、滞納したことがある方は、すでにブラックリストに載っているので、ローンの審査を気にすることなく過払い金請求をするべきです。
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