イズミヤカードの過払い金請求ができる条件・返還率・期間
イズミヤカードは近畿地方に79店舗を展開するスーパーマーケット「イズミヤ」が2016年まで発行していたカードになります。現在はショッピング、キャッシングの機能は停止しており、ポイントカードのみが発行されています。
イズミヤカードのサービスは2016年をもって終了していますが、当時借り入れをした人に残高がある場合は請求が続いています。イズミヤカードは2007年まで27.74%の金利で貸し付けをおこなっていたため、2007年までにお金を借りたことがある人は過払い金が発生している可能性がかなり高いです。
イズミヤ株式会社は現存するため、過払い金があれば請求をかけることが可能です。ただし、過払い金は最後の取引(借り入れや返済)をしてから10年が時効です。時効を迎える前に司法書士や弁護士に相談して過払い金請求するように動きましょう。
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イズミヤカードの過払い金請求ができる条件
イズミヤカードの過払い金が発生する仕組み
貸金業者からの借り入れには、利息制限法と出資法の2つの法律で上限金利が定められています。利息制限法の金利が20.00%、出資法の金利が29.20%とされていました。
法改正がされる2010年までは、利息制限法と出資法のどちらかの上限金利を決めて貸し付けることができたので、イズミヤカードは27.74%で貸し付けしていました。
しかし、2010年6月に出資法と貸金業法が改正されたことで、貸し付けの上限金利が出資法の金利29.2%から、利息制限法の金利20.0%に引き下げられています。そのため、イズミヤカードも平成19(2007年)に利息制限法の上限金利である「20.00%以内」に変更しています。
2007年12月10日前からイズミヤカードで借り入れをしていれば、グレーゾーン金利と呼ばれる、利息制限法と出資法の金利差で払いすぎていた利息を、過払い金として、イズミヤカードに過払い金の返還請求をすることができます。
借り入れ金額によって上限金利が変わります。借り入れ金額が10万円未満の場合は上限金利20%、10万円以上100万円未満の場合は上限金利18%、100万円以上の場合は上限金利15%です。
過払い金が発生しない人
2007年12月10から2016年にイズミヤカードで借り入れした方の場合は、上限金利が利息制限法で定められた金利の範囲内なので、過払い金が発生しません。ちなみにイズミヤカードは2016年にサービスを終了しているので現在は過払い金は発生しません。(会社は残っているので過払い金がある人は請求が可能です)
借り入れ金額と返済回数で増減する過払い金の金額
借り入れ金額と返済回数で過払い金の金額が増減します。
借り入れ金額と返済回数が少ない場合は、イズミヤカードに支払っている利息が少ないので、発生する過払い金も少ないです。一方で、借り入れ金額と返済回数が多い場合は、イズミヤカードに支払っている利息がそのぶん多いので、発生する過払い金も多いです。
イズミヤカードの上限金利の変化
2007年12月10日まで |
27.4% |
2007年12月10日から2016年まで |
20% |
イズミヤカードに過払い金請求ができなくなるリスク
時効が成立してイズミヤカードに過払い金請求ができなくなる
過払い金には時効があり、最後の取引から10年が経過すると時効が成立して、イズミヤカードから過払い金を取り戻すことができなくなります。
イズミヤカードのショッピング枠で利用した日と借り入れをした日、返済した日は関係ありません。あくまで借入もしくは返済の手続きをした日から10年です。借り入れに関する情報は、イズミヤ株式会社から取引履歴を取り寄せることで確認することができます。
取引履歴は、イズミヤカードから郵送、あるいはイズミヤカードの窓口で直接取り寄せることができます。
倒産してイズミヤカードに過払い金請求ができなくなる
イズミヤは近畿地方で展開するスーパーで倒産するリスクはありません。しかし、イズミヤではイズミヤカードのサービスを2016年で終了し、現在はクレジット機能のないポイントカードの運用がメインとなっています。
※クレジット機能があるソレーナSTACIAカードの発行も行っていましたが、2021年3月31日で新規申込の受付を終了しています。
イズミヤ株式会社はまだ存在するため、2007年12月10日までに借り入れをしたことがある人で過払い金請求していない人は過払い金請求できる可能性が高いです。今後イズミヤ株式会社の事業を他の会社へ継承する可能性もあるので早めに司法書士や弁護士に相談し過払い金請求をすることをおすすめします。
イズミヤカードの過払い金請求にかかる期間と過払い金の返還率
話し合い和解をするか、裁判をするかによって、過払い金を取り戻すまでにかかる期間(返還期間)と、発生する過払い金に対して実際に返還される金額の割合(返還率)が違います。
話し合いによる交渉で和解した場合は、返還期間が短くなりますが、取り戻せる過払い金が少なくなる傾向があります。一方で、裁判をする場合は、返還期間が長くなりますが、取り戻せる過払い金が多くなる上に、過払い金の元本に対する利息もあわせて取り戻せる可能性があります。
自分で過払い金請求をすることもできますが、貸金業者との交渉に慣れていないので返還期間が長くなったり、過払い金の返還率が悪くなって取り戻せる金額が少なくなるので、過払い金請求を専門的にあつかっていて、イズミヤカードと交渉経験が豊富な司法書士や弁護士に依頼するべきです。
司法書士・弁護士に依頼してかかる期間と返還率
話し合いで和解(任意交渉)
返還期間
3か月~
返還率
~100%
上記に記載している返還期間・返済率は、イズミヤカードの過払い金請求の目安であって、必ずしも当てはまるものではありません
上記に記載している返還期間・返済率は借り入れの状況、イズミヤカードの経営状況によってかわります
過払い金が返還されるまでの期間によって、過払い金の元本に対する利息はかわります
イズミヤカードの過払い金返還に対する対応は柔軟で、任意交渉でも100%に近い過払い金を取り戻せる可能性があります。ただし、過払い金に利息をつけて請求するときは裁判(訴訟)する必要がでてきます。
過払い金請求のシミュレーション
例1:150万円の借り入れを完済して過払い金請求
借入金額:150万円
返済回数:60回
過払い金:95.5万円
話し合いで和解(任意交渉)した場合は、期間が3ヶ月程度、およそ95.5万円(返還率100%)の過払い金がイズミヤカードから取り戻せる可能性があります。
例2:300万円の借り入れを完済して過払い金請求した例
借入金額:300万円
返済回数:60回
過払い金:191万円
話し合いで和解(任意交渉)した場合は、期間が3ヶ月程度、およそ191万円(返還率100%)の過払い金がイズミヤカードから取り戻せる可能性があります。
イズミヤカードの過払い金を取り戻すまでの流れ
イズミヤカードから取引履歴を取り寄せる
過払い金請求をする前に、イズミヤカードから取引履歴を取り寄せます。取引履歴には、借り入れしたときの金利・金額・日付、返済した金額・日付が記載されています。
イズミヤカードの取引履歴は、イズミヤカードに電話で問い合わせる、直接窓口へ行く、個人情報開示申込書をイズミヤカードに郵送する、ことで取り寄せることができます。
イズミヤカードから取引履歴を取り寄せるときの注意点
過払い金請求をする目的を伝えない
イズミヤカードから取引履歴を取り寄せるときに、過払い金請求をするといった目的を伝えないように注意してください。
「返済義務がないと知っていて、任意で返済した借金の過払い金は請求することができない」といった内容が、民法705条によって定められています。
イズミヤカードに過払い金請求する目的を伝えた上で返済を続けていると、過払い金が少なくなってしまう場合や、過払い金を取り戻せなくなる可能性があります。
ゼロ和解しない
イズミヤカードから取引履歴を取り寄せるときに、イズミヤカードから「借り入れを0円にする(ゼロ和解)」、「利息を減額する和解書にサインをする」ことが提示されることがあります。
イズミヤカードからの条件で和解した場合に、過払い金請求をする権利を放棄することが和解書に記載されていると、過払い金請求が発生していたとしても、過払い金請求をすることができなくなります。
過払い金の引き直し計算をする
イズミヤカードから取引履歴を取り寄せたら、引き直し計算をして、過払い金がいくら発生するのかを算出します。引き直し計算には、エクセルと利息計算ソフトを使用します。
利息計算ソフトは、名古屋消費者信用問題研究会、アドリテム無司法書士法人がインターネット上で無料配布しています。
利息計算ソフトに、取引履歴の内容(金利・金額・日付、返済金額・日付)を入力すれば計算することができます。
引き直し計算を自分でするリスク
引き直し計算を自分ですると、複雑な計算を間違える可能性があります。
引き直し計算は、過払い金を請求するための重要なポイントですが、自分で計算をして金額を1円でも間違えると、取り戻せる過払い金が少なくなることや、イズミヤカードに過払い金の返還を断られてしますリスクがあります。
司法書士や弁護士といった専門家に依頼をすることで、自分で引き直し計算をして間違えるリスクがなくなるので、1円でも多く、過払い金を取り戻すことができます。
イズミヤカードへ過払い金返還請求書と引き直し計算書を送る
取引履歴をもとにして引き直し計算をしたあと、イズミヤカードへ過払い金返還請求書と引き直し計算書を内容証明郵便で送ります。
内容証明郵便で送ることで、いつ、誰が、どこに送ったかを証明することができるので、記録として残すことができます。
過払い金返還請求書の内容
日付
イズミヤカード
イズミヤ株式会社の代表名
名前
住所
連絡先
電話番号
振込口座名
口座番号
契約番号、会員番号
〇万円の過払い金を返還請求する旨の内容
話し合いで交渉(任意交渉)
イズミヤカードへ、過払い金返還請求書と引き直し計算書を送ったあと、引き直し計算をもとに発生した過払い金の返還率、過払い金を返還するまでの期間を話し合いで交渉するために、イズミヤカードの担当者から電話で連絡がきます。
過払い金請求の裁判
取り戻せる過払い金の金額が変わる裁判の争点
イズミヤカードから借り入れを繰り返している場合は、取り戻せる過払い金の金額が変わる可能性があります。
イズミヤカードから繰り返している借り入れが、一連の取引としてあつかわれるか、分断された取引としてあつかわれるかが、裁判の争点になります。
例えば、同じ契約番号で借り入れを繰り返している、イズミヤカードに1,000円未満の借り入れがある、いずれかのケースでは、借り入れが「一連の取引」としてあつかわれることで、取り戻せる過払い金の金額が多くなります。
一方で、繰り返している借り入れが分断された取引としてあつかわれると、それぞれの借り入れに対して過払い金を計算するので、取り戻せる過払いが少なくなります。
繰り返している借り入れが一連の取引か、分断された取引か、どのようにあつかわれるかを自分で判断することや、引き直し計算をすることはむずかしいので、司法書士や弁護士といった専門家に相談をするべきです。
イズミヤカードから過払い金が振り込まれる
イズミヤカードと話し合いで和解、あるいは裁判で判決が出たあと、イズミヤカードとの和解を示す和解書や裁判の判決内容に応じた過払い金が、イズミヤカードに指定した口座に振り込まれます。
過払い金請求を専門家に依頼していた場合は、司法書士や弁護士事務所の口座に過払い金が振り込まれたあと、相談料、着手金、基本報酬、成功報酬といった費用が差し引かれた金額が、手元に残る過払い金として振り込まれます。
司法書士や弁護士の費用・料金は過払い金から差し引かれる
過払い金請求を司法書士や弁護士といった専門家に依頼すると、相談料、着手金、基本報酬、成功報酬が、費用としてかかります。
司法書士や弁護士の依頼にしてかかる費用や報酬の定義、上限金額は、日本司法書士会連合会(日司連)や日本弁護士連合会(日弁連)のガイドラインで定められています。
司法書士に依頼した場合にかかる費用は、着手金、基本報酬といった定額報酬が合計5万円以下と定められていますが、弁護士に依頼した場合にかかる費用は、基本報酬が上限2万円と定められているだけで、着手金には上限が定められていません。
司法書士や弁護士といった専門家に依頼をする場合は、過払い金請求にかかる費用や相場について、電話・メールで相談、あるいは直接面談をするときに確認をするべきです。
イズミヤカードの過払い金請求をするデメリットとメリット
イズミヤカードの過払い金請求をするデメリットとメリットは、過払い金請求をする時点でのイズミヤカードからの借り入れ状況によってちがいます。
借金を完済している方、いまも借金を返済中の方、それぞれの状況にあったデメリットとメリットを確認してください。
イズミヤカードの過払い金請求をするデメリットとメリット
イズミヤカードの過払い金請求をするデメリット
イズミヤカードに過払い金請求するデメリットはありません。現在はキャッシングをおこなっていないので過払い金請求することで新たな借り入れができなくなるということ自体発生しません。
ただし、過払い金の時効が成立したり、イズミヤ株式会社が倒産したりすると、過払い金請求をすることができなくなり、過払い金が発生していても1円も取り戻すことができません。借金の完済後から時間がたっている方は、1日でもはやく過払い金請求をすべきです。
イズミヤカードの過払い金請求をするメリット
借金の完済後にイズミヤカードの過払い金請求をするメリットは、過払い金を取り戻すことができることです。
イズミヤカードから取り戻した過払い金を生活の資金にすることができるので、生活を少しでもラクにすることができる可能性があります。生活がラクになれば、今後も新たな借り入れをしなくてよくなるかもしれません。
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