ビアイジの過払い金請求ができる条件・返還率・期間

ビアイジの過払い金請求ができる条件・返還率・期間

ビアイジは、京都に本社を置き、全国に8カ所の支店を持っている創業が昭和38年の老舗の中小消費者金融業者です。

2007年以前、高金利での貸し付けをしており、過払い金が発生している可能性が高いです。過払い金請求についての対応は他の貸金業者より、やや悪い傾向にあります。公開されている情報も少ないので、自分で過払い金請求をすることは困難なことが予想されます。 

ビアイジのような貸金業者へ過払い金請求をする場合は、司法書士や弁護士といった専門家に相談をしましょう。

ビアイジの過払い金請求の対応状況

ビアイジの過払い金請求の対応状況は、あまり良くないといえます。過払い金請求では、貸金業者と話し合いによる交渉で和解をするケースも多いですが、ビアイジの場合は裁判することがほとんどです。また、発生する過払い金に対して実際に取り戻せる金額の割合(返還割合)も50%程度と低い結果になっているので、他の貸金業者に比べると不利な状況です。

また、ビアイジは大手の貸金業者とちがって倒産のリスクがあります。万が一、ビアイジが倒産すると過払い金請求ができません。また、過払い金には時効があるので、最後の取引から10年が経過して時効が成立すると過払い金請求をすることができなくなります。

ビアイジの倒産、過払い金の時効によって手続きができなくなる前に、専門家に相談をして過払い金請求をすることをおすすめします。

ビアイジの過払い金請求ができる条件

2007年頃までに実質年率18.0%を越える金利で借入をしていた方は、ビアイジに過払い金請求をすることができます。

当時の貸金業者のほとんどがグレーゾーン金利で融資をしており、ビアイジも例外ではありません。法定外の高金利で貸し付けをおこなっていたので、2007年中頃までにビアイジから借り入れをしていた方は、発生する過払い金がある可能性があります。

ビアイジは、過去にほかの貸金業者との合併などもしていないので、請求先はビアイジのみです。ただし、過払い金請求について不明な点も多いので、司法書士や弁護士に依頼して調査することをおすすめします。

ビアイジの過払い金が発生する仕組み

貸金業者からの借り入れには、利息制限法と出資法の2つの法律で上限金利が定められています。利息制限法の金利が20.00%、出資法の金利が29.20%とされていました。

のちに法改正がされるまでは、利息制限法と出資法のどちらかの上限金利を決めて貸し付けることができたので、ビアイジは、法定外金利での貸し付けをおこなっていました。

しかし、2010年6月に出資法と貸金業法が改正されたことで、貸し付けの上限金利が出資法の金利29.2%から、利息制限法の金利20.0%に引き下げられました。

2007年ごろよりも前にビアイジで借り入れしていれば、グレーゾーン金利と呼ばれる、利息制限法と出資法の金利差で払いすぎていた利息を、過払い金として、ビアイジに過払い金の返還請求をすることができます。

借り入れ金額によって上限金利が変わります。借り入れ金額が10万円未満の場合は上限金利20%、10万円以上100万円未満の場合は上限金利18%、100万円以上の場合は上限金利15%です。

2008年以降にビアイジで借り入れした方の場合は、上限金利が利息制限法で定められた金利の範囲内なので、過払い金が発生しません。

ビアイジに過払い金請求ができなくなるリスク

時効が成立してビアイジに過払い金請求ができなくなる

過払い金には時効があり、最後の取引から10年が経過すると時効が成立して、ビアイジから過払い金を取り戻すことができなくなります。

ビアイジからの借り入れに関する情報は、ビアイジから取引履歴を取り寄せることで確認することができます。

倒産してビアイジに過払い金請求ができなくなる

ビアイジが倒産してしまった場合には、過払い金請求をすることができなくなります。

ビアイジは中小の消費者金融なので倒産をする可能性があります。また、倒産をしなくても経営状況が悪化してしまうと、取り戻せる過払い金の額が減ってしまう可能性があります。

経営状況が悪化したり、倒産したりする前に、専門家に相談をしてはやめに過払い金請求をした方が良いでしょう。

ビアイジの過払い金請求にかかる期間と過払い金の返還率

話し合い和解をするか、裁判をするかによって、過払い金を取り戻すまでにかかる期間(返還期間)と、発生する過払い金に対して実際に返還される金額の割合(返還率)が違います。

話し合いによる交渉で和解した場合は、返還期間が短くなりますが、取り戻せる過払い金が少なくなる傾向があります。一方で、裁判をする場合は、返還期間が長くなりますが、取り戻せる過払い金が多くなる上に、過払い金の元本に対する利息もあわせて取り戻せる可能性があります。

ビアイジは、過払い金請求について対応が悪い傾向にあります。自分で過払い金請求をすることもできますが、過払い金の返還期間が長くなったり、過払い金の返還率が悪くなって取り戻せる金額が少なくなる可能性が高いので、過払い金請求を専門的にあつかっている司法書士や弁護士に依頼するべきです。

司法書士・弁護士に依頼してかかる期間

ビアイジのような中小の貸金業者の場合、資金的に余裕がないこともあり、司法書士や弁護士が対応しないと返ってくる過払い金が少なくなる可能性があります。 ビアイジから過払い金が返還されるまでの期間ですが、話し合いによる交和解であれば通常4ヶ月~半年程度で解決しますが、ビアイジは裁判になることが多いので5ヶ月~1年の期間が必要なケースもあります。

ビアイジの過払い金を取り戻すまでの流れ

ビアイジから取引履歴を取り寄せる

過払い金請求をする前に、ビアイジから取引履歴を取り寄せます。取引履歴には、借り入れしたときの金利・金額・日付、返済した金額・日付が記載されています。

ビアイジの取引履歴は、ビアイジに問い合わせて取り寄せることができます。

ビアイジから取引履歴を取り寄せるときの注意点

過払い金請求をする目的を伝えない

ビアイジから取引履歴を取り寄せるときに、過払い金請求をするといった目的を伝えないように注意してください。

「返済義務がないと知っていて、任意で返済した借金の過払い金は請求することができない」といった内容が、民法705条によって定められています。

ビアイジに過払い金を請求する目的を伝えた上で返済を続けていると、過払い金が少なくなってしまう場合や、過払い金を取り戻せなくなる可能性があります。

ゼロ和解しない

ビアイジから取引履歴を取り寄せるときに、ビアイジから「借り入れを0円にする(ゼロ和解)」、「利息を減額する和解書にサインをする」ことが提示されることがあります。

ビアイジからの条件で和解した場合に、過払い金請求をする権利を放棄することが和解書に記載されていると、過払い金請求が発生していたとしても、過払い金請求をすることができなくなります。

過払い金の引き直し計算をする

ビアイジから取引履歴を取り寄せたら、引き直し計算をして、過払い金がいくら発生するのかを算出します。引き直し計算には、エクセルと利息計算ソフトを使用します。

利息計算ソフトは、名古屋消費者信用問題研究会、アドリテム無司法書士法人がインターネット上で無料配布しています。

利息計算ソフトに、取引履歴の内容(金利・金額・日付、返済金額・日付)を入力すれば計算することができます。

引き直し計算を自分でするリスク

引き直し計算を自分ですると、複雑な計算を間違える可能性があります。

引き直し計算は、過払い金を請求するための重要なポイントですが、自分で計算をして金額を1円でも間違えると、取り戻せる過払い金が少なくなることや、ビアイジに過払い金の返還を断られてしますリスクがあります。

司法書士や弁護士といった専門家に依頼をすることで、自分で引き直し計算をして間違えるリスクがなくなるので、1円でも多く、過払い金を取り戻すことができます。

ビアイジへ過払い金返還請求書と引き直し計算書を送る

取引履歴をもとにして引き直し計算をしたあと、ビアイジへ過払い金返還請求書と引き直し計算書を内容証明郵便で送ります。

内容証明郵便で送ることで、いつ、誰が、どこに送ったかを証明することができるので、記録として残すことができます。

過払い金返還請求書の内容

  • 日付ビアイジ株式会社

  • ビアイジの代表名

  • 名前

  • 住所

  • 連絡先電話番号

  • 振込口座名

  • 口座番号契約番号、会員番号

  • 〇万円の過払い金を返還請求する旨の内容

話し合いで交渉(任意交渉)

ビアイジへ、過払い金返還請求書と引き直し計算書を送ったあと、引き直し計算をもとに発生した過払い金の返還率、過払い金を返還するまでの期間を話し合いで交渉します。

過払い金請求の裁判

話し合いによる交渉で和解できなければ、裁判をして判決することになります。

ビアイジの場合は裁判になるケースがほとんどです。裁判の途中で和解することもできますが、ビアイジは過払い金請求に対して厳しい姿勢をとる可能性があるので、判決が出るまでおよそ5か月~1年間続けることになります。

ビアイジから過払い金が振り込まれる

ビアイジと話し合いで和解、あるいは裁判で判決が出たあと、ビアイジとの和解を示す和解書や裁判の判決内容に応じた過払い金が、ビアイジに指定した口座に振り込まれます。

過払い金請求を専門家に依頼していた場合は、司法書士や弁護士事務所の口座に過払い金が振り込まれたあと、相談料、着手金、基本報酬、成功報酬といった費用が差し引かれた金額が、手元に残る過払い金として振り込まれます。

司法書士や弁護士の費用・料金は過払い金から差し引かれる

過払い金請求を司法書士や弁護士といった専門家に依頼すると、相談料、着手金、基本報酬、成功報酬が、費用としてかかります。

司法書士や弁護士の依頼にしてかかる費用や報酬の定義、上限金額は、日本司法書士会連合会(日司連)や日本弁護士連合会(日弁連)のガイドラインで定められています。

司法書士に依頼した場合にかかる費用は、着手金、基本報酬といった定額報酬が合計5万円以下と定められていますが、弁護士に依頼した場合にかかる費用は、基本報酬が上限2万円と定められているだけで、着手金には上限が定められていません。

司法書士や弁護士といった専門家に依頼をする場合は、過払い金請求にかかる費用や相場について、電話・メールで相談、あるいは直接面談をするときに確認をするべきです。

ビアイジの過払い金請求をするデメリットとメリット

ビアイジの過払い金請求をするデメリットとメリットは、過払い金請求をする時点でのビアイジからの借り入れ状況によってちがいます。

借金を完済している方、いまも借金を返済中の方、それぞれの状況にあったデメリットとメリットを確認してください。

完済後にビアイジの過払い金請求をするデメリットとメリット

メリット

デメリット

過払い金を取り戻せる

ビアイジから借り入れが不要になる

ビアイジから新たな借り入れができなくなる

借金の完済後にビアイジの過払い金請求をするデメリット

借金の完済後にビアイジの過払い金請求をするデメリットは、ビアイジから新たに借り入れることができなくなることだけです。

しかし、他の貸金業者からの借り入れはできるので大きなもんだいではありません。それよりも、過払い金の時効が成立したり、ビアイジが倒産したりすると、過払い金請求をすることができなくなり、過払い金が発生していても1円も取り戻すことができません。

借金の完済後から時間がたっている方は、1日でもはやく過払い金請求をすべきです。

借金の完済後にビアイジの過払い金請求をするメリット

借金の完済後にビアイジの過払い金請求をするメリットは、過払い金を取り戻すことができることです。

ビアイジから取り戻した過払い金を生活の資金にすることができるので、生活を少しでもラクにすることができる可能性があります。

生活がラクになれば、今後も新たな借り入れをしなくてよくなるかもしれません。

借金の返済中にビアイジの過払い金請求をするデメリットとメリット

  1. ビアイジの借金が50万円、過払い金が100万円

  2. ビアイジの借金が100万円、過払い金が50万円

例①では、ビアイジの借金よりも過払い金が50万円多いので、過払い金をビアイジの借金の返済にあてることで、残った過払い金が手元に戻ってきます。

例②では、ビアイジの借金の返済に過払い金をあてても借金が残るので、借金の返済中にビアイジの過払い金請求をする状況になります。

借金の返済中にビアイジの過払い金請求をする場合、ブラックリストに載るデメリット、返済中の借金を減額できる、毎月の返済の負担を減らす交渉ができるメリットがあります。

メリット

デメリット

ビアイジに返済中の借金を減額できる

将来の利息カットや返済期間を見直しする交渉ができる

ブラックリストに載る

借金の返済中にビアイジの過払い金請求をするデメリット

ビアイジの借金が、返還される過払い金よりも多い場合は、貸金業者と交渉をして、過払い金を差し引いて残った借金を減額する任意整理の手続きをします。

返済の延滞を繰り返したり、借金を滞納したことがある方は、すでにブラックリストに載っているので、過払い金請求をするべきです。

過払い金がいくら発生するかは、貸金業者との取引履歴から払いすぎていた利息を計算する「引き直し計算」をすることでわかります。

引き直し計算をして、発生する過払い金がビアイジの借金より多いか、少ないか、結果が分かってから過払い金請求をするかしないかの判断をすることができます。

借金の返済中にビアイジの過払い金請求をするメリット

借金の返済中にビアイジに過払い金請求をして、過払い金が発生すれば、ビアイジの借金の返済に過払い金をあてることで、借金を減額することができます。

また、発生した過払い金が借金の残高よりも多ければ、借金を完済することができます。

発生した過払い金で借金が完済できなければ任意整理をすることになりますが、将来発生する利息をカットする、返済期間を見直して延長することができれば、毎月の返済をラクにすることができるようになります。

ビアイジの過払い金請求によるクレジットカードとローンへの影響

住宅ローン・自動車ローンへの影響

ビアイジの過払い金請求が、返済中の住宅ローン・自動車ローンに影響することはありません。

過払い金請求をした後に、新たな住宅ローン・自動車ローンの審査に影響することもありませんが、ビアイジの借金が、返還される過払い金よりも多い場合は、貸金業者と交渉をして、過払い金を差し引いて残った借金を減額する任意整理の手続きをします。

任意整理をすると、信用情報機関に事故情報が登録される、いわゆるブラックリストに載ります。住宅ローンや自動車ローンの審査は、申し込み時の年齢、年収といった情報だけでなく、信用情報機関の情報も対象とするので、ブラックリストに載るとローンの審査に通りにくくなります。

ビアイジからの借り入れで延滞を繰り返したり、滞納したことがある方は、すでにブラックリストに載っているので、ローンの審査を気にすることなく過払い金請求をするべきです。

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