日本保証の過払い金請求ができる条件・返還率・期間
日本保証は日栄と武富士が合併した会社になります。日栄は取り立てが悪質で有名になり、マイナスイメージを避けるためにロプロという社名に変更しています。その後、ロプロが会社更生法申請をおこないJトラスト株式会社の傘下に入り、経営破綻をしていた武富士を吸収し、再編をおこなって生まれたのが日本保証です。
Jトラストで統合し、法的整理をしたときにステーションファイナンス、イッコー、プリーバなどの貸金業者をクレディアへ分割事業譲渡をしている複雑な経緯があります。そのため、プリーバやフロックスで借り入れしたことがある人は日本保証ではなく、クレディアへ過払い金請求をする必要があります。
日本保証に対して過払い金請求する対象は「旧Jトラストフィナンシャルサービス」か「ステーションファイナンス」を利用したことがある人になります。このように日本保証になるまでに事業譲渡などを頻繁におこなっていたので、借り入れ時期の金利を元に過払い金を調べたり、請求先がどこになるのかなどを調べるのは個人でおこなうのはむずかしいです。
また、日本保証の過払い金請求への対応はよくないので専門の弁護士や司法書士に依頼することをつよくおすすめします。
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日本保証の過払い金請求ができる条件
日本保証の過払い金が発生する仕組み
貸金業者からの借り入れには、利息制限法と出資法の2つの法律で上限金利が定められています。利息制限法の金利が20.00%、出資法の金利が29.20%とされていました。
のちに法改正がされるまでは、利息制限法と出資法のどちらかの上限金利を決めて貸し付けることができたので、日本保証系列の貸金業者は2009年2月9日までは現在の利息制限法・出資法を超える金利で貸し付けをおこなっていたので過払い金が発生しています。
過払い金請求ができる人
「旧Jトラストフィナンシャルサービス」か「ステーションファイナンス」で借り入れをしたことがある人が過払い金請求できる対象になります。
Jトラストフィナンシャルサービスは「ステーションファイナンス」という業者でした。ステーションファイナンスで2009年まで借り入れをしていた人は高額な過払い金が発生している可能性があります。ただし、2009年2月9日以降は運営元であった阪神阪急ホールディングスが手放しているのでグレーゾーン金利自体が発生していない可能性があります。そのため、2009年以降の借り入れについては過払い金の対象でない可能性があります。
日本保証という会社ができあがるまでに、会社売却や合併・吸収、グループの傘下に入るといったことが繰り返されているため、どのサービスで借りていたのか、どれくらいの金利で契約していたのか、いつまでが過払い金対象であったか調査するのが非常にむずかしいのが日本保証に対する過払い請求の特徴です。したがって、過払い金請求に特化した専門家でない限りは正しい過払い金の計算と請求をおこなうことはできないと思った方がよいです。
過払い金請求ができない人
日本保証は「武富士」と「日栄(ロプロ)」が合併した会社です。この両社は既に倒産しており、ここでお金を借りていても過払い金請求をすることができません。
正確には破産した日栄がロプロになったことでJトラストのグループに入り、倒産した武富士を吸収してできあがったのが日本保証です。つまり、既に破産が済んでいる武富士、日栄、ロプロで借りた分に対する過払い金請求はおこなうことができません。
また、2010年以降は利息制限法・出資法がそれぞれ20%に統一されたため、2010年以降に借り入れをしている分に関しては過払い金は発生しない仕組みになっています。
日本保証に過払い金請求ができなくなるリスク
時効が成立して日本保証に過払い金請求ができなくなる
過払い金には時効があり、最後の取引から10年が経過すると時効が成立して、日本保証から過払い金を取り戻すことができなくなります。
時効のカウントは最後に借り入れをした日や返済の手続きをした日から数えて10年間になります。2007年に初めて借り入れを行った取引でも返済が2015年で終わっているとした場合、返済が終わった2015年から10年間が時効までの猶予期間となります。取引履歴は、日本保証から郵送、あるいは日本保証の窓口で直接取り寄せることができます。
倒産して日本保証に過払い金請求ができなくなる可能性は低い
日本保証はアジア圏にまたがって金融業をしている大企業であるJトラストの子会社であるため、倒産するリスクは現時点ではありません。しかし、過払い金の時効は避けられないので記憶があるうちに過払い金請求をかける必要があります。
冒頭でも説明したように日本保証ができあがるまでの経緯が複雑なので過払い金の調査にも時間がかかる可能性があります。時効までの期間が短ければ調査中に時効を迎える可能性もあるので早めの相談をしましょう。
日本保証の過払い金請求にかかる期間と過払い金の返還率
話し合い和解をするか、裁判をするかによって、過払い金を取り戻すまでにかかる期間(返還期間)と、発生する過払い金に対して実際に返還される金額の割合(返還率)が違います。
話し合いによる交渉で和解した場合は、返還期間が短くなりますが、取り戻せる過払い金が少なくなる傾向があります。一方で、裁判をする場合は、返還期間が長くなりますが、取り戻せる過払い金が多くなる上に、過払い金の元本に対する利息もあわせて取り戻せる可能性があります。
日本保証の過払い金請求に対する対応は非常に悪く、そう簡単に返してもらえないことで有名です。個人で請求するのは無謀な挑戦ととらえてもよいでしょう。
和解交渉なら20%~40%の返還率の提示をしてくることが多いです。裁判(訴訟)を提起すると80%程度まで引き上げることがあります。しかし、これは司法書士や弁護士が対応したときの話であり、個人での対応はもっと厳しいと思った方がよいです。
また、過払い金の金額が多ければそもそも和解の返還率を上げることもしません。さらに裁判(訴訟)を起こして勝訴しても控訴されて二審に持ち込まれるケースもあります。
司法書士・弁護士に依頼してかかる期間と返還率
話し合いで和解(任意交渉)
返還期間
3か月~
返還率
20%~40%
裁判で判決
返還期間
6か月~
返還率
80%~100%
上記に記載している返還期間・返済率は、日本保証の過払い金請求の目安であって、必ずしも当てはまるものではありません
上記に記載している返還期間・返済率は借り入れの状況、日本保証の経営状況によってかわります
過払い金が返還されるまでの期間によって、過払い金の元本に対する利息はかわります
過払い金請求のシミュレーション
例1:150万円の借り入れを完済して過払い金請求
借入金額:150万円
返済回数:60回
過払い金:68.0万円
話し合いで和解(任意交渉)した場合は、期間が3ヶ月程度、およそ48.0万円(返還率70%)の過払い金が日本保証から取り戻せる可能性があります。
裁判をした場合は、期間が4ヶ月程度、およそ68万円(返還率100%)の過払い金と利息をあわせて日本保証から取り戻せる可能性があります。
例2:300万円の借り入れを完済して過払い金請求した例
借入金額:300万円
返済回数:60回
過払い金:137.5万円
話し合いで和解(任意交渉)した場合は、期間が3ヶ月程度、およそ96.2万円(返還率70%)の過払い金が日本保証から取り戻せる可能性があります。
裁判をした場合は、期間が4ヶ月程度、およそ137.5万円(返還率100%)の過払い金と利息をあわせて日本保証から取り戻せる可能性があります。
日本保証の過払い金を取り戻すまでの流れ
日本保証から取引履歴を取り寄せる
過払い金請求をする前に、日本保証から取引履歴を取り寄せます。取引履歴には、借り入れしたときの金利・金額・日付、返済した金額・日付が記載されています。
日本保証の取引履歴は、日本保証に電話で問い合わせる、直接窓口へ行く、個人情報開示申込書を日本保証に郵送する、ことで取り寄せることができます。
日本保証から取引履歴を取り寄せるときの注意点
過払い金請求をする目的を伝えない
日本保証から取引履歴を取り寄せるときに、過払い金請求をするといった目的を伝えないように注意してください。
「返済義務がないと知っていて、任意で返済した借金の過払い金は請求することができない」といった内容が、民法705条によって定められています。
日本保証に過払い金請求する目的を伝えた上で返済を続けていると、過払い金が少なくなってしまう場合や、過払い金を取り戻せなくなる可能性があります。
ゼロ和解しない
日本保証から取引履歴を取り寄せるときに、日本保証から「借り入れを0円にする(ゼロ和解)」、「利息を減額する和解書にサインをする」ことが提示されることがあります。
日本保証からの条件で和解した場合に、過払い金請求をする権利を放棄することが和解書に記載されていると、過払い金請求が発生していたとしても、過払い金請求をすることができなくなります。
過払い金の引き直し計算をする
日本保証から取引履歴を取り寄せたら、引き直し計算をして、過払い金がいくら発生するのかを算出します。引き直し計算には、エクセルと利息計算ソフトを使用します。
利息計算ソフトは、名古屋消費者信用問題研究会、アドリテム無司法書士法人がインターネット上で無料配布しています。
利息計算ソフトに、取引履歴の内容(金利・金額・日付、返済金額・日付)を入力すれば計算することができます。
引き直し計算を自分でするリスク
引き直し計算を自分ですると、複雑な計算を間違える可能性があります。
引き直し計算は、過払い金を請求するための重要なポイントですが、自分で計算をして金額を1円でも間違えると、取り戻せる過払い金が少なくなることや、日本保証に過払い金の返還を断られてしますリスクがあります。
司法書士や弁護士といった専門家に依頼をすることで、自分で引き直し計算をして間違えるリスクがなくなるので、1円でも多く、過払い金を取り戻すことができます。
日本保証へ過払い金返還請求書と引き直し計算書を送る
取引履歴をもとにして引き直し計算をしたあと、日本保証へ過払い金返還請求書と引き直し計算書を内容証明郵便で送ります。
内容証明郵便で送ることで、いつ、誰が、どこに送ったかを証明することができるので、記録として残すことができます。
過払い金返還請求書の内容
日付
日本保証
日本保証の代表名
名前
住所
連絡先
電話番号
振込口座名
口座番号
契約番号、会員番号
〇万円の過払い金を返還請求する旨の内容
話し合いで交渉(任意交渉)
日本保証へ、過払い金返還請求書と引き直し計算書を送ったあと、引き直し計算をもとに発生した過払い金の返還率、過払い金を返還するまでの期間を話し合いで交渉するために、日本保証の担当者から電話で連絡がきます。
過払い金請求の裁判
取り戻せる過払い金の金額が変わる裁判の争点
日本保証から借り入れを繰り返している場合は、取り戻せる過払い金の金額が変わる可能性があります。
日本保証から繰り返している借り入れが、一連の取引としてあつかわれるか、分断された取引としてあつかわれるかが、裁判の争点になります。
例えば、同じ契約番号で借り入れを繰り返している、日本保証に1,000円未満の借り入れがある、いずれかのケースでは、借り入れが「一連の取引」としてあつかわれることで、取り戻せる過払い金の金額が多くなります。
一方で、繰り返している借り入れが分断された取引としてあつかわれると、それぞれの借り入れに対して過払い金を計算するので、取り戻せる過払いが少なくなります。
繰り返している借り入れが一連の取引か、分断された取引か、どのようにあつかわれるかを自分で判断することや、引き直し計算をすることはむずかしいので、司法書士や弁護士といった専門家に相談をするべきです。
日本保証から過払い金が振り込まれる
日本保証と話し合いで和解、あるいは裁判で判決が出たあと、日本保証との和解を示す和解書や裁判の判決内容に応じた過払い金が、日本保証に指定した口座に振り込まれます。
過払い金請求を専門家に依頼していた場合は、司法書士や弁護士事務所の口座に過払い金が振り込まれたあと、相談料、着手金、基本報酬、成功報酬といった費用が差し引かれた金額が、手元に残る過払い金として振り込まれます。
司法書士や弁護士の費用・料金は過払い金から差し引かれる
過払い金請求を司法書士や弁護士といった専門家に依頼すると、相談料、着手金、基本報酬、成功報酬が、費用としてかかります。
司法書士や弁護士の依頼にしてかかる費用や報酬の定義、上限金額は、日本司法書士会連合会(日司連)や日本弁護士連合会(日弁連)のガイドラインで定められています。
司法書士に依頼した場合にかかる費用は、着手金、基本報酬といった定額報酬が合計5万円以下と定められていますが、弁護士に依頼した場合にかかる費用は、基本報酬が上限2万円と定められているだけで、着手金には上限が定められていません。
司法書士や弁護士といった専門家に依頼をする場合は、過払い金請求にかかる費用や相場について、電話・メールで相談、あるいは直接面談をするときに確認をするべきです。
日本保証の過払い金請求をするデメリットとメリット
日本保証の過払い金請求をするデメリットとメリットは、過払い金請求をする時点での日本保証からの借り入れ状況によってちがいます。
借金を完済している方、いまも借金を返済中の方、それぞれの状況にあったデメリットとメリットを確認してください。
完済後に日本保証の過払い金請求をするデメリットとメリット
メリット
過払い金を取り戻せる
日本保証から借り入れが不要になる
デメリット
日本保証から新たな借り入れができなくなる
完済している人が日本保証の過払い金請求をするデメリット
借金の完済後に日本保証の過払い金請求をするデメリットは、日本保証から新たに借り入れることができなくなることだけです。
ただし、過払い金の時効が成立していると過払い金請求をすることができなくなり、過払い金が発生していても1円も取り戻すことができません。
日本保証以外からお金を借りることはできるので、日本保証が利用できなくなることにそこまでのデメリットは感じません。。
完済している人が日本保証の過払い金請求をするメリット
借金の完済後に日本保証の過払い金請求をするメリットは、過払い金を取り戻すことができることです。
日本保証から取り戻した過払い金を生活の資金にすることができるので、生活を少しでもラクにすることができる可能性があります。
生活がラクになれば、今後も新たな借り入れをしなくてよくなるかもしれません。
借金の返済中に日本保証の過払い金請求をするデメリットとメリット
借金の返済中に日本保証の過払い金請求をする場合、ブラックリストに載るデメリット、返済中の借金を減額できる、毎月の返済の負担を減らす交渉ができるメリットがあります。
メリット
返済中の借金に当てられる
将来の利息カットや返済期間を見直しする交渉ができる
デメリット
ブラックリストに載る
日本保証の過払い金請求をするデメリット
日本保証から過払い金を超える借金を抱えている場合は過払い金をしたタイミングでブラックリストに載ることになります。ただし、日本保証とは別に借金をしており、完済している日本保証にのみ過払い金請求をおこなった場合はブラックリストに載りません。
その他に、日本保証以外に借金をしており、日本保証の過払い金をその借金に当てる場合は任意整理扱いとなり、ブラックリストに載ります。
日本保証の過払い金請求をするメリット
発生した過払い金で借金が完済できなければ任意整理をすることになりますが、将来発生する利息をカットする、返済期間を見直して延長することができれば、毎月の返済をラクにすることができるようになります。
日本保証の過払い金請求によるクレジットカードとローンへの影響
住宅ローン・自動車ローンへの影響
日本保証の過払い金請求が、返済中の住宅ローン・自動車ローンに影響することはありません。
任意整理をすると、信用情報機関に事故情報が登録される、いわゆるブラックリストに載ります。住宅ローンや自動車ローンの審査は、申し込み時の年齢、年収といった情報だけでなく、信用情報機関の情報も対象とするので、ブラックリストに載るとローンの審査に通りにくくなります。
日本保証からの借り入れで延滞を繰り返したり、滞納したことがある方は、すでにブラックリストに載っているので、ローンの審査を気にすることなく過払い金請求をするべきです。
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