JCBの過払い金請求ができる条件・返還率・期間

JCBの過払い金請求ができる条件・返還率・期間

現在までにJCBで借り入れをしたことのある方は、過払い金が発生している可能性があります。実際に発生しているかどうかは借り入れ期間や方法によって異なります。

また、過払い金請求を自分で行うか、専門家に依頼するかによって、過払い金が返還される期間や返還率が変わりますので、これについても説明します。

JCBの過払い金請求ができる条件

JCBの過払い金が発生する仕組み

貸金業者からの借り入れには、利息制限法と出資法の2つの法律で上限金利が定められています。利息制限法の金利が20.00%、出資法の金利が29.20%とされていました。

のちに法改正がされるまでは、利息制限法と出資法のどちらかの上限金利を決めて貸し付けることができたので、JCBは27.8%と、出資法の上限金利である29.2%にあわせて貸し付けをしていました。

しかし、2010年6月に出資法と貸金業法が改正されたことで、貸し付けの上限金利が出資法の金利29.2%から、利息制限法の金利20.0%に引き下げられました。

JCBは2007年の6月16日に利息制限法の上限金利である「20.00%以内」に変更しています。

JCBは2007年の6月15日以前からJCBで借り入れしていれば、グレーゾーン金利と呼ばれる、利息制限法と出資法の金利差で払いすぎていた利息を、過払い金として、JCBに過払い金の返還請求をすることができます。

借り入れ金額によって上限金利が変わります。借り入れ金額が10万円未満の場合は上限金利20%、10万円以上100万円未満の場合は上限金利18%、100万円以上の場合は上限金利15%です。

2007年の6月16日以降にJCBで借り入れした方の場合は、上限金利が利息制限法で定められた金利の範囲内なので、過払い金が発生しません。

JCBは国際ブランドのクレジットカードを発行している会社の一つです。しかし、JCBで過払い金が発生するのは、JCB本体が発行したクレジットカード・カードローンの場合のみです。特に過払い金が発生するのは、キャッシングの一括返済で利用した場合に限られます。

JCBを使っているが過払い金が発生しているかどうかは、使用した時期や方法によって異なりますので、詳しくはカード発行会社にお問い合わせください。

借り入れ金額と返済回数で増減する過払い金の金額

借り入れ金額と返済回数で過払い金の金額が増減します。

借り入れ金額と返済回数が少ない場合は、JCBに支払っている利息が少ないので、発生する過払い金も少ないです。一方で、借り入れ金額と返済回数が多い場合は、JCBに支払っている利息がそのぶん多いので、発生する過払い金も多いです。

JCBへの返済方法には、一括払いとリボルビング払いがあります。

リボルビング払いで返済している場合は、借り入れの返済回数が多くなるので、一括払いでの返済よりも発生する過払い金が多くなります。

JCBに過払い金請求ができなくなるリスク

時効が成立してJCBに過払い金請求ができなくなる

過払い金には時効があり、最後の取引から10年が経過すると時効が成立して、JCBから過払い金を取り戻すことができなくなります。

JCBのクレジットカードをショッピングで利用した、借り入れを返済した日は関係がなく、あくまでも最後の借り入れをした日、返済の手続きをした日です。借り入れに関する情報は、対象のカード会社から取引履歴を取り寄せることで確認することができます。

取引履歴は、ジェーシービー株式会社融資取引履歴ご請求窓口から電話あるいは郵送で取り寄せることができます。

倒産してカード会社に過払い金請求ができなくなる

JCBの倒産リスクは他のクレジットカード会社の中でも極めて低い方だと考えられます。

しかし、かつて消費者金融の最大手であった「武富士」が倒産したように、カード会社が倒産してしまうと過払い金が発生していたとしても取り戻すことができなくなりますので、早めに過払い金請求をするべきです。

JCBの過払い金請求にかかる期間と過払い金の返還率

話し合い和解をするか、裁判をするかによって、過払い金を取り戻すまでにかかる期間(返還期間)と、発生する過払い金に対して実際に返還される金額の割合(返還率)が違います。

話し合いによる交渉で和解した場合は、返還期間が短くなりますが、取り戻せる過払い金が少なくなる傾向があります。一方で、裁判をする場合は、返還期間が長くなりますが、取り戻せる過払い金が多くなる上に、過払い金の元本に対する利息もあわせて取り戻せる可能性があります。

JCBは、大手のクレジットカード会社で過払い金請求の対応を多く経験しているので、話し合いや裁判においてJCBが有利な立場となるように交渉をしてきます。

自分で過払い金請求をすることもできますが、貸金業者との交渉に慣れていないので返還期間が長くなったり、過払い金の返還率が悪くなって取り戻せる金額が少なくなるので、過払い金請求を専門的にあつかっていて、JCBと交渉経験が豊富な司法書士や弁護士に依頼するべきです。

司法書士・弁護士に依頼してかかる期間と返還率

話し合いで和解(任意交渉)

返還期間

3か月~

返還率

~80%

裁判で判決

返還期間

4か月~

返還率

~100%+利息

  • 上記に記載している返還期間・返済率は、JCBの過払い金請求の目安であって、必ずしも当てはまるものではありません

  • 上記に記載している返還期間・返済率は借り入れの状況、JCBの経営状況によってかわります

  • 過払い金が返還されるまでの期間によって、過払い金の元本に対する利息はかわります

JCBの過払い金請求のシミュレーション

例1:100万円の借り入れを完済して過払い金請求

  • 借入金額:100万円

  • 返済回数:60回

  • 過払い金:64.0万円

話し合いで和解(任意交渉)した場合は、期間が3ヶ月程度、およそ51.2万円(返還率80%)の過払い金がJCBから取り戻せる可能性があります。

裁判をした場合は、期間が4ヶ月程度、およそ64.0万円(返還率100%)の過払い金と利息をあわせてJCBから取り戻せる可能性があります。

例2:250万円の借り入れを完済して過払い金請求した例

  • 借入金額:250万円

  • 返済回数:60回

  • 過払い金:160.0万円

話し合いで和解(任意交渉)した場合は、期間が3ヶ月程度、およそ128.0万円(返還率80%)の過払い金がJCBから取り戻せる可能性があります。

裁判をした場合は、期間が4ヶ月程度、およそ160.0万円(返還率100%)の過払い金と利息をあわせてJCBから取り戻せる可能性があります。

JCBの過払い金を取り戻すまでの流れ

JCBから取引履歴を取り寄せる

過払い金請求をする前に、JCBから取引履歴を取り寄せます。取引履歴には、借り入れしたときの金利・金額・日付、返済した金額・日付が記載されています。

JCBの取引履歴は、JCBに電話で問い合わせる、個人情報開示申込書をJCBに郵送する、ことで取り寄せることができます。

直接窓口へいく場合はジェーシービー株式会社融資取引履歴ご請求窓口にて取り寄せることができます。

JCBの開示請求は電話でのお申し込みが基本です。それにより、ほとんどの場合、電話による申し込みがスムーズに行えます。

JCBから取引履歴を取り寄せるときの注意点

過払い金請求をする目的を伝えない

JCBから取引履歴を取り寄せるときに、過払い金請求をするといった目的を伝えないように注意してください。

「返済義務がないと知っていて、任意で返済した借金の過払い金は請求することができない」といった内容が、民法705条によって定められています。

JCBに過払い金請求する目的を伝えた上で返済を続けていると、過払い金が少なくなってしまう場合や、過払い金を取り戻せなくなる可能性があります。

ゼロ和解しない

JCBから取引履歴を取り寄せるときに、JCBから「借り入れを0円にする(ゼロ和解)」、「利息を減額する和解書にサインをする」ことが提示されることがあります。

JCBからの条件で和解した場合に、過払い金請求をする権利を放棄することが和解書に記載されていると、過払い金請求が発生していたとしても、過払い金請求をすることができなくなります。

過払い金の引き直し計算をする

JCBから取引履歴を取り寄せたら、引き直し計算をして、過払い金がいくら発生するのかを算出します。引き直し計算には、エクセルと利息計算ソフトを使用します。

利息計算ソフトは、名古屋消費者信用問題研究会、アドリテム無司法書士法人がインターネット上で無料配布しています。

利息計算ソフトに、取引履歴の内容(金利・金額・日付、返済金額・日付)を入力すれば計算することができます。

引き直し計算を自分でするリスク

引き直し計算を自分ですると、複雑な計算を間違える可能性があります。

引き直し計算は、過払い金を請求するための重要なポイントですが、自分で計算をして金額を1円でも間違えると、取り戻せる過払い金が少なくなることや、JCBに過払い金の返還を断られてしますリスクがあります。

司法書士や弁護士といった専門家に依頼をすることで、自分で引き直し計算をして間違えるリスクがなくなるので、1円でも多く、過払い金を取り戻すことができます。

JCBへ過払い金返還請求書と引き直し計算書を送る

取引履歴をもとにして引き直し計算をしたあと、JCBへ過払い金返還請求書と引き直し計算書を内容証明郵便で送ります。

内容証明郵便で送ることで、いつ、誰が、どこに送ったかを証明することができるので、記録として残すことができます。

過払い金返還請求書の内容

・日付

・株式会社ジェーシービー

・JCBの代表名

・名前

・住所

・連絡先電話番号

・振込口座名

・口座番号

・契約番号、会員番号

・〇万円の過払い金を返還請求する旨の内容

話し合いで交渉(任意交渉)

JCBへ、過払い金返還請求書と引き直し計算書を送ったあと、引き直し計算をもとに発生した過払い金の返還率、過払い金を返還するまでの期間を話し合いで交渉するために、JCBの担当者から電話で連絡がきます。

過払い金請求の裁判

取り戻せる過払い金の金額が変わる裁判の争点

JCBから借り入れを繰り返している場合は、取り戻せる過払い金の金額が変わる可能性があります。

JCBから繰り返している借り入れが、一連の取引としてあつかわれるか、分断された取引としてあつかわれるかが、裁判の争点になります。

例えば、同じ契約番号で借り入れを繰り返している、JCBに1,000円未満の借り入れがある、いずれかのケースでは、借り入れが「一連の取引」としてあつかわれることで、取り戻せる過払い金の金額が多くなります。

一方で、繰り返している借り入れが分断された取引としてあつかわれると、それぞれの借り入れに対して過払い金を計算するので、取り戻せる過払いが少なくなります。

繰り返している借り入れが一連の取引か、分断された取引か、どのようにあつかわれるかを自分で判断することや、引き直し計算をすることはむずかしいので、司法書士や弁護士といった専門家に相談をするべきです。

JCBから過払い金が振り込まれる

JCBと話し合いで和解、あるいは裁判で判決が出たあと、JCBとの和解を示す和解書や裁判の判決内容に応じた過払い金が、JCBに指定した口座に振り込まれます。

過払い金請求を専門家に依頼していた場合は、司法書士や弁護士事務所の口座に過払い金が振り込まれたあと、相談料、着手金、基本報酬、成功報酬といった費用が差し引かれた金額が、手元に残る過払い金として振り込まれます。

司法書士や弁護士の費用・料金は過払い金から差し引かれる

過払い金請求を司法書士や弁護士といった専門家に依頼すると、相談料、着手金、基本報酬、成功報酬が、費用としてかかります。

司法書士や弁護士の依頼にしてかかる費用や報酬の定義、上限金額は、日本司法書士会連合会(日司連)や日本弁護士連合会(日弁連)のガイドラインで定められています。

司法書士に依頼した場合にかかる費用は、着手金、基本報酬といった定額報酬が合計5万円以下と定められていますが、弁護士に依頼した場合にかかる費用は、基本報酬が上限2万円と定められているだけで、着手金には上限が定められていません。

司法書士や弁護士といった専門家に依頼をする場合は、過払い金請求にかかる費用や相場について、電話・メールで相談、あるいは直接面談をするときに確認をするべきです。

JCBの過払い金請求をするデメリットとメリット

JCBの過払い金請求をするデメリットとメリットは、過払い金請求をする時点でのJCBからの借り入れ状況によってちがいます。

借金を完済している方、いまも借金を返済中の方、それぞれの状況にあったデメリットとメリットを確認してください。

完済後にJCBの過払い金請求をするデメリットとメリット

メリット

  • 過払い金を取り戻せるJCBから借り入れが不要になる

デメリット

  • JCBから新たな借り入れができなくなる

借金の完済後にJCBの過払い金請求をするデメリット

借金の完済後にJCBの過払い金請求をするデメリットは、JCBから新たに借り入れることができなくなることだけです。

ただし、過払い金の時効が成立したり、、JCBが倒産したりすると、過払い金請求をすることができなくなり、過払い金が発生していても1円も取り戻すことができません。

借金の完済後から時間がたっている方は、1日でもはやく過払い金請求をすべきです。

借金の完済後にJCBの過払い金請求をするメリット

借金の完済後にJCBの過払い金請求をするメリットは、過払い金を取り戻すことができることです。

JCBから取り戻した過払い金を生活の資金にすることができるので、生活を少しでもラクにすることができる可能性があります。

生活がラクになれば、今後も新たな借り入れをしなくてよくなるかもしれません。

借金の返済中にJCBの過払い金請求をするデメリットとメリット

  1. JCBの借金が50万円、過払い金が100万円

  2. JCBの借金が100万円、過払い金が50万円

例①では、JCBの借金よりも過払い金が50万円多いので、過払い金をJCBの借金の返済にあてることで、残った過払い金が手元に戻ってきます。

例②では、JCBカードのキャッシング利用やショッピング利用の返済に過払い金をあてても借金が残るので、借金の返済中にJCBの過払い金請求をする状況になります。

借金の返済中にJCBの過払い金請求をする場合、ブラックリストに載るデメリット、返済中の借金を減額できる、毎月の返済の負担を減らす交渉ができるメリットがあります。

メリット

  • JCBに返済中の借金を減額できる将来の利息カットや返済期間を見直しする交渉ができる

デメリット

  • ブラックリストに載る

借金の返済中にJCBの過払い金請求をするデメリット

JCBカードのキャッシング利用やショッピング利用の残高が、返還される過払い金よりも多い場合は、貸金業者と交渉をして、過払い金を差し引いて残った借金を減額する任意整理の手続きをします。

返済の延滞を繰り返したり、借金を滞納したことがある方は、すでにブラックリストに載っているので、過払い金請求をするべきです。

過払い金がいくら発生するかは、貸金業者との取引履歴から払いすぎていた利息を計算する「引き直し計算」をすることでわかります。

引き直し計算をして、発生する過払い金がJCBカードのキャッシング利用やショッピング利用の残高より多いか、少ないか、結果が分かってから過払い金請求をするかしないかの判断をすることができます。

借金の返済中にJCBの過払い金請求をするメリット

借金の返済中にJCBに過払い金請求をして、過払い金が発生すれば、JCBカードのキャッシング利用やショッピング利用の残高の返済に過払い金をあてることで、借金を減額することができます。

また、発生した過払い金が借金の残高よりも多ければ、借金を完済することができます。

発生した過払い金で借金が完済できなければ任意整理をすることになりますが、将来発生する利息をカットする、返済期間を見直して延長することができれば、毎月の返済をラクにすることができるようになります。

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